MEMORY LAND〜天才ヤンの元気の出る政治

若い頃に書いた二次小説の夢のかけらを、少しずつ拾い集めてみたくなりました。

東京ビッグサイトで突然エスカレーター停止 50人以上転倒数人怪我?

2008/08/04 Mon [Edit]

【速報】東京ビッグサイトで突然エスカレーター停止 50人以上転倒数人怪我?

乗りも乗ったり、って感じな人数だったものねぇ。
エスカレーターで寿司詰め状態って、通常の感覚なら有りえんだろ。
NHKは、「通勤ラッシュ時のエスカレーターでもここまでは・・」と言ってたみたいだけど、通勤ラッシュ時のエスカレーターでも、暗黙の了解として、片側は「駆け上がる人」用に開いてるぜ。
「急がば回れ」じゃないだろうけど、むしろ整然としていた方が、スピーディな場合もあるからね。

それにしても、イベントがイベントだっただけに、どこの報道も巻き込まれた側に同情的なものはなかったね。
著作権フリーのフィギュアの販売って聞いたけど、実は・・・、なんだってね。
そうかぁ。著作権フリーかぁ。だから、目の色が変わるのかなぁ。

でも、同じオタクの祭典として名高いコミック・マーケットは、もっと整然としてたけどなぁ。
あのエスカレーター、ビッグサイト西館の、大エスカレーターっしょ?
去年の夏、久々に行ってみたけど、人員整理に関しては、あのイベントは、10万人規模のイベントのわりに、相変わらず徹底してたよね。
参加者も、交通規制に粛々と従ってるし。

もっとも、コミック・マーケットは、創作や、版元・製造元・原作者に了承を取り付けている一部を除けば、後は殆ど著作権との闘いで、一部の不祥事で開催中止も有り得る自覚がある(だろう)から、参加者もイベント成功に意欲燃やしてるものね。
会場内での相互協力は、世知辛い世の中が嘘のような世界ですしね。
もっとも、どんなところでも、例外さんはいるものだけどね。

今年は、行けないなぁ。
母が亡くなったばかりだし。
欧亜州共同体さん、出てないし。出てたら、四十九日前でも、行ってたかも(^_^;)
だけど、今年の夏コミケは、あの大エスカレーターは使用中止かもね。
企業ブース目当ての人は、大変だねぇ。階段使って大回りかぁ。
コミック・マーケットは、著作権も含めて、色々問題もあるけど・・。でも、あれもひとつのイマジネーションの泉だから、やはり、何事もなく、無事、終わって欲しいものですね。


内閣改造、きましたねぇ。

2008/08/01 Fri [Edit]

やはり、一番の驚きは、麻生氏の幹事長より、伊吹氏の財務大臣。
「伊吹が財務〜〜!?」
ってなくらいの衝撃。

伊吹文明といえば、問題発言も数あるが、やっぱ、これでしょ。
「殿様年貢」発言。

「今の日本の殿様は国民だから、国民が使う年貢が足りなくなったら、年貢を増やすのが当たり前」

これ聞いた時は、国民=殿様がいつ、外務省の機密費を容認したよ、とか、社会保険庁の箱物は国民が認めたものかよ、とか、代議員の文書通信費が妥当だと、いつ国民が納得したんだ? とか。
色々色々、思ったものですが。
最近では、官僚のタクシー・チケットとか。省庁の娯楽施設とか。マッサージ機とか。ゴルフ場とか。
省庁の傲岸不遜な嵐、縦横無尽の炎も抑えられないで、ツケは国民かよ!!
と憤っていたところに持ってきて、当の御本人が財務大臣ですか。
しかも、この御方。
NHKで放送してた就任挨拶で、国民つかまえて「生活者」だと。
つまり御本人は、「私は生活者(生産活動者)ではない」と、豪語したわけだな。

もっとも、この人事をした福田氏からして、「消費者の目線に立った政治」だからね。
もう、この段階で、上から目線丸見えだもの。

町村氏に至っては、先の就任挨拶で、来年から始める制度を「裁判員制」と連呼しておった。
「陪審員制」だろ、それ。
我が国の官房長官からして、国の法制度も満足に理解していないらしい。
おまけに、集まった報道陣の誰一人、指摘もしないし。
大丈夫か、この国。

気の毒だなぁ、と思ったのは、野田氏。
野田聖子氏、消費者担当大臣ですって。
まあ、凄い当て馬。
この先、金融引き締めにせよ、消費税引き上げにせよ、この物価高では、国民・・じゃない、「生活者」だっけ・・、の猛反発は必至だからねぇ。
ただでさえ、野田氏は色んな意味で目立つ存在だから、これはもう、「生活者」の反発の矢面に立たせる体のいい当て馬だろうな。気の毒に。
もっとも、本人、これで喜んでたら、ただのアホやね。

ま、生活に直結するものばかりの物価高騰のおり、マジで消費税上げるかどうかはこれからだけど。
なんだか、日本自爆テロ内閣って感じだなぁ。

仮定法過去〜新たなる闘いへの序章(5

2008/07/21 Mon [Edit]

 我が皇帝マイン・カイザー
 だが、我が皇帝マイン・カイザーよ。
 新しい時代は、幕を開けたばかりだ。
 なる程、ゴールデンバウム王朝は倒れ、新しい秩序の時代は幕を開けた。名門名閥を優遇してきた税制の諸制度を全廃し、窮状している国庫を補うのも、いいだろう。全臣民に公平な税制を敷くのも、また良かろう。公正な裁判も、結構なことだ。高邁な理想を掲げ、それに邁進することは、統治者の徳というものだ。
 だが。
 そこにこそ、思いも掛けない落とし穴があるのではないか?
 公正な裁判はともかくとして、公平な税制とは理想の極みだ。
 それに、フェザーンは?
 優遇されてきた大貴族共を、更に利用して益を潤わせていたフェザーンが、たかだか自治権を剥奪された程度で、利潤を手放すものだろうか。何より、貴族共の足元を見て伸し上がってきた帝国の豪商共が、全臣民に公平な税制とやらに満足するであろうか。
 経済とは、公平な税制に微笑み返してくれるほど純真ではなく、まして、経営は、慈善事業ではない。
 事実、制圧して尚、フェザーン最大の金融地区であるアポリスク・バンク、その守秘義務とやらを絶対とし、大貴族や豪商の膨大な私財を呑み込んでいるであろう金庫は、未だ新帝国の前に開かれることはない。それすらも武力を持って開かせようというなら、武力によって築き上げてきた新帝国のいしずえは、経済という姿のない化け物によって食い荒らされることになるだろう。反発するのは、旧王朝の大貴族ではなく、帝国全域に根を下ろした商人達であり、また、各殖民惑星の統治を実質してきた駐留の貴族達である。
 いわんや、軍事力に心血を注ぎ、民心の目を生活向上心から逸らせる為に行われてきた旧王朝の時代錯誤的な内政によって、国民生活の文化的水準は、叛徒共が250年かけて進めてきたのに正対して、帝国は確実に後退してきているのだ。
 正しく『活かさぬように、殺さぬように』の施策を持ってした500年であり、それに慣れ切った民衆は、自らの思想すら持たない。この点に関しては、ラインハルトすら例外ではあるまい。
 今やひとつの銀河宇宙の制覇した輝ける有翼獅子の出発点は、慕わしい姉を奪われた悲憤であって、決して、高邁な理想や思想ではない。また、そうであったからこそ、主義や思想、人の生死、その在り方の狭間で、常に行きつ戻りつしていたヤンよりも、遥かに率直で直裁的な行動が出来たのだ。
 だが、その結果としての軍事力は、事ここに至っては、諸刃の剣でしかあるまい。
 軍事力によって切り開き、軍事力ばかりが増大し、幕僚の発言権は閣僚のそれを封じることさえしばしばである現在の新帝国の在り様は、政体としては歪んだものである。
 旧王朝の残した負の遺産は、いかに高邁な理想を掲げようと、容易に取り除けるものではなく、まして、公平な税制とは、いかなる時代の、いかなる政体にとっても、理想の極みだ。
 無論、助言を求められれば、進言もしよう。だが、一軍人が、求められもしないものを、余計な口を差し挟む必要がどこにあろうか。
 もっとも、至高にして至尊、英明たる皇帝カイザーが、それら負の遺産に気付いていないはずもなかろうか。
 我が皇帝マイン・カイザー
 類い稀な才気をして、輝かしい覇道を切り開いてきた、黄金の有翼獅子。
 至尊たる、我が皇帝マイン・カイザーよ。
 新しい時代は、幕を開けたばかりで、上演すべき演目すら、決まってはいない。
 ヤン・ウェンリーにしてからも、当代随一の知将が、必ずしも前途有為な為政者になれるとは限らないではないか。
 時代はまだ、どう転ぶか知れたものではない。
 そう。暫くは、その転び具合を見るのも一興というものか。
 「それにしても・・・」
 ミッターマイヤーの懸念を映した声が、思惟に沈んだロイエンタールの鼓膜を打ち、ふと視線を上げる。夜闇のくろと蒼空のあおが、旧知の友を見た。
 「どうした、ミッターマイヤー? 宇宙艦隊司令長官としては、何か御懸念でもおありか?」

新たなる闘いへの序章(6.へ続く
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仮定法過去「VARIATION2」 52頁 1998年5月3日 初出

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偶然なのか、必然なのか。

2008/07/11 Fri [Edit]

私事ながら、ここ数年患っていた母が要介護になって、これが、思っていた以上に多忙で、考えていた以上に疲れ果てるもので、うかうかと更新を先送りにしていたら、洞爺湖サミットの期間中に、長く患っていた母が逝去しました。

そういえば、サミットだったな。葬儀の真っ最中だったので、気にする余裕もなかったけど。
気にするほどの内容でも、なかったようですね。

告別式も済んで、もろもろの手続きにも着手しつつ、今、これを打ち込んでおります。
思えば、忌引きという休暇は、葬儀屋や坊主や役所や金融機関への対応の為にある休みなんだと、痛感しておりますが、この金銭的現実感のムカツキが、むしろ有り難いのかもしれません。
ひいては、ムカツク親族の対応も、ね。
後でドッと来るかは分かりませんが、取り合えず慌しく、怒涛のように、日々こなしております。

金銭的といえば、何よりむかつくのは、やはり、坊主。
「御気持ち」という相場に、ムカツク。
要は、お経の御布施だ。
葬儀屋によると、ここら辺の相場は30〜50。無論、万。
これに、御車料に御膳料。&初七日料が御布施の10%で3万、だと。
何事も、金銭の処理が目の前にちらつく世の中だけど。
いや、親だからな。まだ我慢も出来るんだ。
これが仮に子供だったら。
有り難い、なんていう以前に、切れるかもな。

そういえば、偶然だけど、今、レンタル・コミック屋さんに嵌ってる。
齢も半世紀になると、漫画も、「読みたい」けど、「買うのは、ちょっと」という具合になる。
要するに、これ以上、処分する荷物を増やしたくないのだ。
そこで、レンタル・コミック。
幸い、近所にあった。
とても重宝している。

そこで、先ず最初に借りたのが、「エンジェル・ハート」だった。
偶然なのか、必然なのか。
「エンジェル・ハート」の初めのほうの話に、冴場さんが、

『親ってのは、先に死ぬもんさ』

という科白を言うシーンがある。
癌で、末期で、もう駄目だろうと思っていた矢先だっただけに、これは結構覚悟になった。
『親ってのは、先に死ぬもんさ』、と。

この時期、コミック・レンタルの店を見つけたのが偶然なのか。
「エンジェル・ハート」を最初に借りたのが必然なのか。
それは分からないけれど。
必然が偶然を呼ぶのか、偶然が必然を待つのかは分からないけど。
この科白は、覚悟になった。

仮定法過去〜天使の梯子6

2008/06/03 Tue [Edit]

 ヤン・ウェンリーを首座に押し上げ、政権の基盤を確固たるものにし、首席を補佐して余りあるものがあった筆頭補佐官は、トリューニヒトの応えに、鋭利な美貌を複雑な表情ものにし、ついで、深い、深い吐息を零した。
 「・・ウェンリーは・・・」
 つと、首席の執務机の端に、軽く腰掛ける。
 「あの子は、初めから、貴方を認めていたさ」
 極細の筆で描いたような眉が、漆黒の瞳を抱く切れ長の目の上で、僅かに歪む。それが、ルイーゼの、心中の複雑さを物語る全てである。
 「あの子にとって、貴方は、ことごとく反発の対象だったよな」
 マスコミはおろか、市民すら肴にした。
 水と油、プラスとマイナス。そして、無欲と我欲。
 「まったく・・・、いっそ見事な程だ」
 「だから?」
 「『だから?』」
 朱に映えた薄い口唇に、いささかきつ過ぎる笑みが刷かれる。
 「だから。あの子にとっては、貴方こそが執着であったということさ」
 「・・・執着?」
 執着。
 そう、それは、ある種の執着だ。
 ラインハルトもアンネローゼも、相対する陣営にいたというだけで、本質的にはヤンと同質でしかなく、あちら側のアクションがなければ、ヤンからは、何のリアクションも起きなかったはずだ。
 だが、この男だけは、違った。
 ヤンは、初めから、この男を・・、この男だけは、客観視することが出来なかった。
 歴史の頁を眺めるようには、見ることが出来なかった。
 その男は、同質でありながら、異質だった。
 ヨブ・トリューニヒトという存在があったからこそ、ヤンは、自分では考えも付かないことを見つめることが出来、自分では逆立ちしても出来ないことがあるのだという事実も見、その立場故に、素知らぬ顔で擦れ違うことも出来なかったのだ。
 これもまた、偶然の積み重ねによる必然か。
 それとも、必然の欲した偶然なのか。
 「あの子は貴方を、一流の政治家として、認めていたさ。認めていたからこそ、ああも憎悪し、反発もしたわけだからな」
 まさか気付いていなかったのか?と。そんな、そしりさえ見える声に、ヤンの政府顧問だった男は、ただ押し黙っている。
 確かに、気付いていなかったわけではない。
 人は、何の根拠もなく嫌悪はしないし、ましてや、何の根拠もない憎悪はしない。嫌悪や憎悪の発端は、概ね、生理的な不快とか感情の縺れとかによるものだが、それとは別に、才能を認めたくない故の嫌悪、才能を認めているからこその憎悪というものも、あるのだ。
 確かに、気付いていなかったわけではない。
 感触として、互いに感じ取っていたことかもしれない。
 だが、御互いが御互いに、理解出来なかった。
 ヨブ・トリューニヒトにとっては、独裁者になれる機会を、まるでドブに捨てるかのように見向きもしなかったヤンを理解できなかったように、ヤンもまた、優れた為政者になれる才覚がありながら、その才を、まるでドブに垂れ流すように浪費するようなトリューニヒトの志向性も、まったく理解出来なかったのだ。
 仮に、もし仮に、トリューニヒトが、単純に利権を食い荒らすだけの二流の政治家であったら、ヤンは、ああまで憎悪し、反発することはなかっただろう。他の利権屋と同じように、歴史の頁を眺めるように無視することも出来たのだ。
 だが、時代の風を敏感に嗅ぎ分け、風の吹く先すら予測出来る才を認めていたからこそ、それは、言い様のない、誰に理解されることもない程の憎悪にもなったのだし、世論の盛大な反発を受けると承知していて尚、自らの政府顧問とすることにもなったのだろう。
 ヨブ・トリューニヒトは、良くも悪くも、政治家としては傑出した人物であり、その才と知悉は、ヤンの異才を持ってしても太刀打ちできない所在を、明確に知らしめるものでもあったのだ。
 自己の才の、限界というもの。
 そして、おそらくは、「望み得ない才能の所在」という存在こそが、ヤンを、ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムの再来とすることもなかったのだ。
 「あの子にとっては、貴方こそが、当代稀な政治家だったのだろうよ」
 この男故に、この男がいたからこそ、ヤンは、天才の孤独とか、異才故の孤高とかいう、訳の分からないものに、囚われずに済んだのだ。
 そして、ルイーゼの、それが、心中の複雑さであり、これもまた、才能の所在故の憎悪というものだろうか。
 それまで、押し黙って拝聴していたトリューニヒトが、ここが潮と踏んだのか、自嘲めいた失笑を浮かべた。
 「・・・確かに・・。確かに・・、な」
 「ん?」
 「私は、根っからの政治家だからね。変わるつもりもないし、変わりたいと、思ったこともないな」
 一瞬、呆け。
 やおら、苦笑し。
 ついで、破顔した。
 で、あればこそ。
 ヨブ・トリューニヒトが、テロリズムを利用することがあっても、テロリストに成り下がることはなかったのだ。
 人には、出来ることと、出来ないことがある。
 あの子は。
 ヤンは、自己の才の限界を、きちんと承知していた。
 故に、この男を欲したのだ。

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「仮定法過去〜VARIATION2」 52頁 1998年5月3日 初出

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