MEMORY LAND〜天才ヤンの元気の出る政治

若い頃に書いた二次小説の夢のかけらを、少しずつ拾い集めてみたくなりました。

「君が代」って、勝ち組の歌だよね

2008/03/29 Sat [Edit]

国歌斉唱で起立した卒業生が170人中わずか1人

私が学生(小・中・高)の頃は、普通に起立して、普通に斉唱してたけど、別に軍国主義にも、熱烈な愛国主義にもならなかったなぁ。
ってか、「くだらねぇ」とか「意味なしだぜ」とか思いながらも、それがルールだと思って歌ってけど。
でも、今の子は大変だね。
教師のいかんによっては、こんな取捨択一も迫られるなんてさ。
こんな極端な選択までされるんじゃ、そりゃ、人生においても、極端な選択をするようになるよね。
「○○をしろ」とか言われて腹が立ったから人を殺した、って、こういう教育の成果に思えてきた。
嫌だと思ったら、どんな局面でも、自分勝手にしていい、ってことを教えてるような気がする。
だって、自己主張する場が、違うよね。

もっとも、人生の負け組みにとっては、「君が代」という歌は、キツイ。
あの歌は、勝ち組の歌だもの。
それだけに、金メダリストや○○大賞受賞者には、とっても似合う歌だけど。

あれって、
「君が刻んだ栄光は、この先、永劫に称えられますよ」
って歌でしょ?
確かに、君が代廃止論派の理由のひとつは、「君」が「天皇」だから許せないらしいが、天皇が象徴になり、憲法上で主権が国民に移った今、「君」は主権である「国民」だろ?
つまり、君が代廃止論派は、主権である「国民」である「君」が称えられるのは嫌!と、そういうことかな?
それとも、君が代廃止論派の頭の中では、主権は未だに天皇なのか?

「君」が主権である「国民」であるなら、若者の門出である卒業式に歌われるのも、相応しい気がするんだけど。
「君」=「君達」の将来が、「輝かしい栄光に包まれますように」って、教育者が教え子へ送る言葉なら、別に反対する理由は無いと思うけどなぁ。

ただ・・、自虐的な考えだけど、人生に挫折した人が「君が代」を嫌うのは、分かる。
だって「君が代」は、どう聞いても、勝ち組の歌だもの。

時代は格差社会。
だけど、未来を担う若者に、今から自虐的な負け組になって欲しくないなぁ。
春ですからね。
未来を担う若者の未来が、世界に進出するにせよ、社会に出るにせよ、家庭を築くにせよ、「千代に八千代に」「巌のように」安泰でありますように・・。

五輪に向けて中国当局が猫を虐殺中

2008/03/28 Fri [Edit]

五輪に向けて中国当局が猫を虐殺中

中国のレストラン「猫スープあります」

これはぁ・・。
猫好きとしては、スルー出来ないニュース。

いえ、猫肉を、食べる食べないは、嗜好の問題だから、他国の食文化にケチをつける気はないし、私だって肉は食う。猫だけ例外なんて、綺麗事は言えないさ。
とはいえ、猫抹殺中というのは・・。
いいのか、それで? って感じなんだが・・。

猫が激減すると、ペストが流行るぞ。

エジプトで猫が神様になったのは、穀物荒らしのネズミを猫が獲ってくれるから。
インドで猫が重宝されたのは、仏典の紙を食うネズミを猫が獲ってくれるから。
英国の図書館でも、古い書籍を護る為に、わざわざ館内で猫を放し飼いにしているところもある。

でも、何より、欧州で、猫が贔屓にされているのは、その昔、魔女狩りついでに猫も虐殺した結果、 ペストが猛威をふるって、欧州の人口が三分の一にまで減った歴史があるからさ。
日本でも、明治の頃にペストの流行の兆しがあったらしいが、猫飼育奨励の政策の結果、大事には至らなかったんだと。

欧州の魔女狩りは、実は、反体制派の抹殺が狙いだったというし、中国も、反体制派の抹殺の真っ最中。その上で、猫狩りかぁ。次の来るのは、ペストの流行ですか?
いえね。別に、中国人だけが激減するのなら、いいんですけどね。
現在の日本でも、都会地では家猫が多くなって、外猫が激減した結果、ネズミの大繁殖が問題になっているしねぇ。
中国で発生したペストが日本に上陸だけは、勘弁して欲しいなぁ。
今のうちに、猫飼育の奨励でもして、外猫に寛容になっておいた方が無難か?
え? ペストは撲滅した? でも、麻疹すら、流行してるものねぇ。

ところで、七瀬は、特に猫が好きで、今現在も、同居してるのは猫。だけど、ぶっちゃけ、私は、ただの動物好き。
物心ついた頃から数えると、家に動物がいなかったことがない。
猫(行方不明1匹、病死4匹、医療過誤死1匹、交通事故死3匹、天寿を全う2匹)は勿論だけど、犬もいたし(交通事故死2匹、行方不明1匹、天寿全う1匹、事情により処分4匹)、金魚(風呂の沸かし過ぎで高温死(>_<)、鯉(台風の洪水で全部流された(-_-)、セキセイインコ、オカメインコ((猫に首を落とされた(>_<)、十姉妹、その他小鳥各種、鳩(隣家に騒音だといわれ手放す)、兎(雨に当たって衰弱死(-_-)、コオロギ(繁殖に失敗)・・。あと、何かいたかな?

庭があるから、蛇もいたけど、最近出ない。
蜂やムカデの類も、見てる分にはいいんだけど、奴らは毒もちで、刺すからなぁ(-"-)
でも、この頃、めっきり、爬虫類が減った。蛇とか蜥蜴とか・・。
昆虫類はまだいるけど、鈴虫の類は数が減ったような気がする。
暮らしやすさには、どうも、寂しさが付いてくるようですね。
とはいえ、水母の大繁殖は、猟師さんには、死活問題ですけど、これも、人間の暮らしやすさの延長で、生態系が激変したせいでもあるようですから、やはり、暮らしやすさの寂しさが、卑しさにならないようにしなければいけないのでしょうね。
まして、五輪成功の環境美化対策で猫を狩っていいなんて、本末転倒のような気がする。

仮定法過去〜新たなる闘いへの序章(3.

2008/03/25 Tue [Edit]

ダークブラウンの髪をさっぱりと撫で付けた、端正な容姿の持ち主だが、何より印象的なのは、その双眸である。青い左目と黒い右目の金銀妖瞳ヘテロクロミアは、この男の貴公子的な容貌へ、更に魅惑に満ちた印象を与えると共に、心を騒がせずにはおれない不穏な危険をも漂わせていた。
 「どんな社会であろうと、富める者は幾らでも肥え太り、貧しい者はより虐げられる。共和主義だろうが専制主義だろうが、体制など形骸に過ぎぬさ。問題は、頭に頂く指導者の在り様だろうよ」
 専制主義をさえ批判しかねない痛烈な指摘は、だが、最後の言葉が辛うじて救ったようだ。
 ミッターマイヤーが、皮肉屋で冷笑癖のあると囁かれて久しい、長の旧友の言葉尻を逃がさず、すかさず言い募る。
 「確かに、ロイエンタールの言には一理あるな。制度は所詮、形式に過ぎないと、俺も思う。現に、同じ専制であったゴールデンバウム王朝を誇りにしたいとは、とても思えん。皇帝カイザーラインハルト陛下という傑出した指導者を得たからこそ、我らもこうして、今を過ごしていられるのだしな」
 「そう、ですね。これが一時代前だったら、目も当てられない」
 若いミュラーも、統帥本部総長ロイエンタールの言葉にひやりとした心胆を、なだめながら、感慨深く頷いた。
 まったく、この時代に生まれついたことを、大神オーディンに感謝したい。
 この時代に生まれついたからこそ、皇帝カイザーラインハルトに巡り合い、ヤン・ウェンリーという異才とも近接することが出来たのだ。これ程の僥倖が、どの時代に在ろうかと、ミュラーは、ヤンとの一度だけの逢瀬を、ふと思う。
 バーミリオン会戦の直後だった。
 バーミリオン会戦は、実質的には、帝国軍の完敗であったのだ。
 自分であったらと、思う。
 自分であったら、あれ程に不利な状況下で、あれ程までに見事な戦術を駆使し、戦況を構築出来ただろうか。
 ミュラーとて、幾度戦艦を乗り換えたか。
 戦況に押し流されそうになる度に、ミュラーは不退転の決意を持って、ヤン艦隊に挑んでいった。
 だが、負けた。
 あの時、あの瞬間、ヤン艦隊の砲列は、確かに、主君ラインハルトの旗艦ブリュンヒルトを捕らえていたのだ。
 白い貴婦人ブリュンヒルトが砕け散らなかったのは、同盟の前政権が発した停戦命令の故だったという。
 だが。
 あの時、あの戦況で、自分なら、停戦命令に従えただろうか。
 しかも、命を発したのは、失策ばかりを繰り返す愚劣な政府だ。
 理不尽な命令である。
 勝てる戦いであるのだ。
 勝利が目の前で、身を横たえているのだ。
 手を取りさえすれば、歴史の流れも、覇道の全ても、その掌中に出来るのだ。
 得も言えぬ蠱惑的な誘惑にこそ、どうして勝ち得たのか。
 ミュラーは、おそらく、この時初めて、ヤン・ウェンリーという人物を、戦略家としてでもなく、戦術家としてでもなく、一個人として、興味を持ったに違いない。
 そして、旗艦ブリュンヒルトで、初めて出会った人は、決して偉大な将帥には見えなかった。

新たなる闘いへの序章(4.へ続く
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仮定法過去「VARIATION2」 52頁 1998年5月3日 初出

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仮定法過去〜天使の梯子4

2008/03/23 Sun [Edit]

 「・・・たく、ないな」
 ぽつりと零れたのは、単なる恣意か、あるいは本音か。
 「ホアナ?」
 「二度も、代理の長になんぞ、なりたくはないな」
 ホアナ・ルイーゼの、鋭敏な声。故に、トリューニヒトは単なる恣意と受け取った。ただ、
 「・・・などという我が儘は、こかない・・・・だろうね。まさか、君が」
 その言い様に、ルイーゼの肉付きの薄い唇が、苦笑を形作る。
 「こきたい・・・・んだがね」
 いいいろだ、と思う。
 ともすると酷薄にも見える微笑を浮かべるあかは、彼女の鋭利な美貌に好く映える。来月7日には50になろうというホアナ・ルイーゼの容貌は、その鋭敏さを少しも損なうことがない。
 「冗談にしては、あまり面白くはないよ」
 先の2月、57を迎えたトリューニヒトとて、俳優張りの男前の容姿に、磨きが掛かりこそすれ、決して衰えてはいない。むしろ、若手の青臭さが消えた今、渋みの加わった骨太な実力派を思わせる風貌だ。
 ヤンの好きだった鋭敏な美貌が、軽く鼻の先でわらう。
 「こういうことは、シリアスだから面白いんだろう?」
 ヤンをして羨ましがらせた、骨太な俳優張りの風貌は、やはり鼻の先で受けた。
 「大衆受けしないシリアスでは、悲劇としても価値はないな」
 「ではいっそ、コメディにしてしまったらどうだね?」
 会話の方向性としては、ふざけているとしか取れない応答だが、トリューニヒトをしても、さすがに心内で首を捻った。
 この女性をして、随分と、往生際の悪いことだ。
 「毒の効いたコメディなら、なまじなシリアスに勝るものさ。な?」
 なるほど、往生際が悪い。
 かつて、ハイネセン陥落直前に、トリューニヒトに進退を迫り、戦勝国を向こうに回してヤン政権を樹立して見せた老舗の女主人ホアナ・ルイーゼをしても、「ヤンを暗殺テロで失った」という事実は、痛恨の極みだったということか。
 トリューニヒトが、しょうことない溜息をく。
 かつて、旧体制下の同盟において権勢を振るっていた頃のトリューニヒトしか知らない者であれば目を疑う光景だが、ヤン政権下では、さして珍しいものではない。
 「毒の効いた、ね」
 今更だ。
 「なるほど・・、それは面白かろうが・・・」
 正しく、今更のことだ。あるいは、もし、あの清やかな貴婦人を知らなければ・・。あるいは、ヤンに関わらなければ?
 否。それらの全てを含めて、人の世というものなのだ。そしてトリューニヒトは、今、ここに、こうしていることを、不思議と後悔していない。
 「もし、私が、そういう舞台を想定していたのだとしたら、私は遠慮なく、副首席に就任していたよ」

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「仮定法過去〜VARIATION2」 52頁 1998年5月3日 初出

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仮定法過去〜遠い夜明け:扉絵

2008/03/23 Sun [Edit]

デジタルカメラを購入して、先ず初めに、こういうのを撮っているのが、情けない・・(-_-)
写し方が下手で、斜めになってしまったのが、ちょっと悔しい。

「仮定法過去〜遠い夜明け」の扉絵になったものですが、自分でもすっげぇ気合いが入っていたのが、よく分かるなぁ。

ヤン素描3


仮定法過去「遠い夜明け」 308頁 1996年8月18日 初出

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仮定法過去〜新たなる闘いへの序章(2.

2008/03/22 Sat [Edit]

 「・・・市民の、市民による、市民の為の民主共和制・・、か」
 帝国首都星オーディンに在る高級仕官クラブ『海鷲ゼーアドラー』で、ぽつりと呟いたのは、銀河帝国軍宇宙艦隊司令長官ウォルフガング・ミッターマイヤー元帥である。
 帝国軍人として、これ以上望み得るものは無い地位にまで登りつめた若い元帥は、帝国歴490年から新帝国歴1年へと年号を改めた歴史的なこの年、31歳になる。
 納まりの悪い蜂蜜色の髪より、活力に富んだグレーの瞳の方が、より印象的な青年元帥は、思いも掛けなかった時代の流れに、驚きはしたものの、意外なことに、不快ではなかった。
 何はともあれ、これでもう、大規模な戦争は回避されるのだ。
 無論、対同盟と、これから講和を結ぶにせよ、これから融和を図るにせよ、それは、新たに政権を樹立したヤン・ウェンリーと、そのヤンを同盟の首班として認めた皇帝カイザーラインハルトの、この時代が生んだ二人の天才に委ねられることで、ミッターマイヤーには、口を差し挟む権限は無く、また、口を挟む気さえ、無い。
 今や、ひとつの銀河宇宙を制圧し得る帝国軍を統べる宇宙艦隊総司令長官でありながら、ミッターマイヤーは、自身、一介の軍人にしか過ぎないと思っており、また、一介の軍人でありたいと、望んでもいるのである。そして、軍人である以上、政治に口を挟む権限は無い。
 だが、例え権限は無くとも、帝国軍実働部隊の全権限を持つ年若い元帥は、この先に、再び大規模な戦乱の時代が待っているとは思ってはいなかった。
 皇帝カイザーラインハルトが、皇帝としての権限を正当に行使し、ヤン・ウェンリーが実効ある首班として立てば、自ずと戦火は遠のく。
 断定出来るのかと問われれば、首肯は出来ない。
 だが、今や巨大な軍事力を掌中とする若き元帥は、理念や理屈ではなく、感覚として、あるいは直観として、そう思うのだ。
 ウォルフガング・ミッターマイヤーは、後に、「帝国の誇る偉大な良心」として語られ、明朗闊達な性質と共に、柔軟な思考力の持ち主であり、その見識は平衡感覚に富んでいた。
 「共和主義、ですか? 私にはよく理解わかりませんが・・・。身分格差の無い、万民が平等な社会制度を指すのでしょう?」
 ラインハルトの幕僚の中で最年少の上級大将ナイトハルト・ミュラーは、この年、28になる。
 砂色の髪と同じ色の瞳は、不可解さと同量の、おそらくは未知のものへの憧憬も在ったかもしれない。あるいは、ヤン・ウェンリーという、帝国軍人には、些か肥大して巨大化した当代の異才への、一種畏敬にも似た感情の作用もあったろうが、いずれ、好奇心、冒険心は、若さの特権というものだ。
 だが、そんな若さ故の好奇心の灯に、その水は、冷ややかに過ぎる程の冷たさでもって浴びせ掛けられた。
 「万民が平等? ふん。そんな社会など、在ろうはずが無いさ」
 オスカー・フォン・ロイエンタール元帥であり、銀河帝国軍統帥本部長である。

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仮定法過去「VARIATION2」 52頁 1998年5月3日 初出

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Kカンパニーの「第九」

2008/03/21 Fri [Edit]

先日、熊川哲也氏のKカンパニーの創作バレエ「第九」を観てきました。

どう言ったらいいのか・・。
モダン・スタイルを取ると、どうしても観念的になるのは仕方がないのだけど・・・。

ステージとしては、先ず第一楽章部分は、赤の照明を基本として、男性舞踊者の群舞から始まるのだけど、これが、ちょっと、ね。
モダン・スタイルを取ると、どうしても観念的になるのは仕方がないとしても、私個人は、振り付け如何によっては、下手するとマッスル・ミュージックに見えてしまうよ、これ。と率直に思ってしまいました。

ついでに、コスチュームがピッタリとしたレオタードはモダン・スタイルで仕方ないけど、照明がキツイ赤のせいで、時々、何だか、ウルトラ兄弟?と思えてきて、ちょっと失笑してしまったのですよ。

2楽章3楽章は、照明も穏やかで、無難に進行はしてくれたのだけど、ただ、基本を天地創造に求めたにしても、どうも・・。

多分、太陽と月の創造をイメージした部分は分かるのだけど、コスチュームがねぇ。
ダサ・・(-"-)
私の「太陽と月の創造」は、どうしてもミケランジェロの天地創造の天井画になってしまうから、もう少しこう・・、なんか、どうにかならなかったのかなぁ・・、と。

4楽章の合唱部分では、合唱団の皆様が、ペリシテ人かユダヤ人か分からないけど、とにかく当時の人々の長衣を着て登場したのだけど・・・。

待望の熊川氏の登場は、神だった。
いえ、踊りではなく、役柄そのものが神だったのよ。

天地創造を終えて、登場した神様は、アダムとイブの楽園追放に絶望して退場(と、私は解釈した)。
この時、熊川氏は、数多の男性舞踊主に掲げ上げられての退場だったけど、なんだか、まるで、マトリックスのネオが、機械都市で数多の触手で運ばれていく映像にかぶってしまって、さすがに笑った。

でも、その後のキリスト誕生には・・。
あの子役さんは、子キリストの解釈で、いいんだよね。
だって、長衣の合唱団の方々が、子役囲んで賛美してたし・・。

ってか・・、個人的は、おぉっとぉ・・、と言うか・・。
いえ・・、モダン・バレエは、観念的なんだよ、うん。

復帰した熊川氏の踊り自体は、バレエ界が現在望みうる「神」でしたけどね。
この方の踊りの、独特の間の取り方は、大好きです。
確かに天性の才能なんだなぁと、感嘆してしまいます。

ただ、この創作バレエ「第九」に関しては、まだまだ改善の余地はあると感じて帰ってきました。
素材も着眼点も展開も良いのですが・・、やっぱりまだ、どことなく荒削りな感を免れませんでした。
上演時間1時間ちょっとで、この内容に、正直2万は、キツイ。
でも、決して悪くはなかったんですよ。
悪くはないんだけど・・、もう少し、ね。な感じでした。

そうそう。
ついでに、今話題の赤坂sakasも見てきました。
私が行った時は、まだ、「TBSありがとうフェア」の準備中で、店舗は骨格だけでしたけど。
これが今話題の赤坂sakasかぁ、と。田舎者は感心しながら、帰路に就きました。

仮定法過去〜天使の梯子3

2008/03/20 Thu [Edit]

 過日、心の闇の暗黒に落ちていくはずだった故アーサー・リンチの息子を、光の在る場所へと引き摺り戻してくれたヤンが、凶事(テロ)によって落命したことを知らされた時、32にになるマッケンジーは、殉死し兼ねない程、思い詰めていた。
 それを思えば、『凶事(あれ)から20日を経たというのに』は、間違いだ。20日を経て、やっと泣く余裕が出来た。主を亡くした部屋の警護に立つだけの自我を取り戻し、取り次ぐだけの平静さを取り戻せたのだ。
 ふと、憎悪に似た感情が、波立つ。
 筋違いだと理解わかっていても、痛恨の思いが、感情を波立たせる。
 これは、妬みだ。
 素直シンプルに思い詰め、直情ストレートに泣くことが出来る者への、妬みだ。
 だが、行政を司るものには、そんな時間は許されない。
 すげ替えの利かない為政者を失った、その事後処理をしなければならず、それは、まだ、終わってはいない。この日、政府顧問トリューニヒトが、秘書官に行き先も告げずに他出した筆頭補佐官ホアナ・ルイーゼを探し当てて訪れた理由も、だから、承知わかってはいるのだ。
 「私が? 首班に、ね」
 滑稽なことだ。
 もしかしたら、5年前、あの子ヤンが、この男ヨブとにこやかに握手を交わした歴史的事実よりも、滑稽な茶番劇かもしれない。
 「理解わかってはいると思うが・・、直轄行政府の現在の急務は、次の首席を決め、暫定政権を立てることだからね」
 暫定政権の樹立。
 思い詰める間も無く、泣く機会も逸し、惜しむ時間さえ無いまま、だが、これは早急に決めなければならないことである。
 ヤンを失ってから、まだ20日と思うのは、私人として。
 公人にとっては、もう、20日、なのだ。
 だから、理解はしていても、承知が出来ない。
 例え、ヤンが辞任・・した後は、自分が立つしかないだろうなと、思っていたとしても、辞任それ暗殺これとでは、事態が違う。

天使の梯子4へ 続く
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「仮定法過去〜VARIATION2」 52頁 1998年5月3日 初出

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仮定法過去〜新たなる闘いへの序章 (1.

2008/03/19 Wed [Edit]

弟は 姉ゆえに 至尊の座へと登り詰めた

姉は 弟ゆえに 最も貧しい人々と共に在ることを 望んだ

             ヨブ・トリューニヒト『シスター・マリアへの回想』から その序

※    ※    ※

 自由惑星同盟首都星ハイネセンで勃発した、ヤン退役元帥謀殺未遂から『血の一週間ブラッディ・ウィーク』に至る一連の事変は、銀河帝国ローエングラム朝皇帝カイザーラインハルトの英断によって、ひとまずの終熄を見せた。
 宇宙歴799年 新帝国歴1年 8月15日。
 自由惑星同盟首都星ハイネセンから全同盟、ひいては全宇宙に向けて、この時代を深く鮮やかな色彩で彩った人物の声明が発せられた。
ヤン・ウェンリーの、自由惑星同盟首席就任演説である。

※    ※    ※

【海  鷲】ゼー・アドラー

 自由惑星同盟に新政権の樹立をもって、再び流血を望むかに見えた時代の流れを食い止めた新帝国ローエングラム朝初代皇帝ラインハルトは、バーラト星域方面の駐留艦体を再編し、軽挙妄動を厳に禁じ、その意志を全同盟・全帝国に知らしめるべく、残る全軍を帝国領内へと撤退させた。
 その際、イゼルローン要塞に駐留していたコルネリアス・ルッツ上級大将も呼び戻され、イゼルローンは、一時、エルネスト・メックリンガー上級大将が預かることとなった。
 大同小異の混乱と不満、混迷と不安の中で、それでも騒乱や叛乱にまで至らなかったのは、黄金の有翼獅子と呼び称された皇帝カイザーラインハルトの意志が確固たるものであったことと、自由惑星同盟新政権の首班に就いたヤン・ウェンリーの、新帝国内で奇妙に肥大した名望の故であった。

新たなる闘いへの序章(2.へ 続く       

仮定法過去「VARIATION2」 52頁 1998年5月3日 初出

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仮定法過去〜天使の梯子2

2008/03/16 Sun [Edit]

 宇宙歴812年6月20日。
 この日、自由惑星同盟議会は、6月1日を『平和祈念日』として、全同盟の祝日とすることを議決した。同年の同月同日に、テロによって落命した故ヤン・ウェンリー首席の偉業を称え、且つ、平和への祈願を新たにする為である。

          ※     ※     ※

 議会が満場一致の拍手と喝采に包まれ、上院議会議長が、故ヤン首席への哀悼と悔やみの辞を粛然と述べる頃、議場とは通りを一本挟んだ位置にある直轄行政府ビルの一角、中央政庁では空気が帯電していた。正確には、中央政庁内の、首席執務室である。
 「暫定政権の、首班?」
 首席執務室いれものは、首席執務室いれものに過ぎない。風景に意味を与えるとしたら、それは、人の心の在り様というものだ。簡素だが重厚で、機能的だが、どこか雑然としている首席執務室が、まるで主を失ってひっそりとしている、そんな寂莫たる風景に思えるのは、ホアナ・ルイーゼの心の在り様が、脳裡にそんな風景を見せるのだ。
 「ふ〜〜ん。誰が、なるんだって?」
 奇特な奴がいるものだ、と。
 声は、他人事だ。
 ヨブ・トリューニヒトは、白面を崩さぬまま、呆れた風に肩を竦める。
 「君以外の、誰か、いるのかね?」
 「私?」
 誰も入れるなと、警護官には断ってあった。
 既に守るべき主を失った部屋を、律儀に、あるいは頑固に、警護として立っていたダグラス・マッケンジーは、敬礼をもって、不承不承、受諾した。
 故ヤン・ウェンリー首席が、過剰な警護と過分な崇拝を忌避した為、首席執務室の警護官も、不承不承ながら、行き過ぎた警護をすることはなかった。
 まして、今は、警護すべき主は、亡い。
 凶事あれから二十日を経たというのに、故アーサー・リンチの息子は、充血した目を腫らして、不承不承、ヤン首席の筆頭補佐官ホアナ・ルイーゼを、敬礼でもって迎えてくれた。
 無論、政府顧問ヨブ・トリューニヒトが、緊急の要件だと言って訪れた際には、もっと不承不承であったに違いないが、ヤン首席が、内実はどうあれ、現実に信頼していた政府顧問であれば、ダグラス・マッケンジー警護官も、無下に追い返すことは出来なかったのだろう。
 ただ、それでも、内線で取り次いだ分だけ、心の平静を取り戻しつつあるのか。

天使の梯子3へ 続く
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「仮定法過去〜VARIATION2」 52頁 1998年5月3日 初出

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仮定法過去〜天使の梯子1

2008/03/14 Fri [Edit]

 『同盟史で、指導者の評価を順位付ける時、アーレ・ハイネセンとヤン・ウェンリーの評価は、おそらく、ほぼ不動のものである。
 前者は自由惑星同盟の祖であり、後者は同盟の瓦解を防ぎ、新たな基盤を築き上げた人物である。
 ヤンの評価の中には、在任中、テロによって急逝した事実が、実際以上に偉大に見せているという皮肉な見方もあるが、いずれ、この二者への評価は、世間を驚愕させるような余程の新事実が飛び出しでもしない限り、あまり変動はないだろう。
 困るのは、ヨブ・トリューニヒトの評価である。
 トリューニヒトの政治家の前期は、同盟の旧体制において、当時、既に腐敗の一途を辿っていた民主共和制の精神を立て直すこともせず、腐敗した精神ごと帝国に売り渡した衆愚政治家であった。
 だが、後記は、ヤン政権下で、新体制の確立に努め、法制度を改革し、また、ヤン亡き後に行われた、帝国との安全保障条約の締結、イゼルローン要塞の武力解体の成功などは、トリューニヒトの水面下の交渉に依るところが大きいと言われ、ヤン・ウェンリーと同時期の人物であるだけに、ヨブ・トリューニヒトの政治的評価は、数多の歴史研究家や政治学者を困らせるようだ』

        メアリー・フィッシャー『指導者の系譜』から

天使の梯子2へ続く

「仮定法過去〜VARIATION2」 1998年5月3日 初出

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